バンコク発カトマンズへ

一ヶ月に詰め込んだ通常のお店の仕事に加え、新作のオリジナルバッグの着手で、すっかり更新を滞ってしまったブログだが、そしていつの間にかバリ島を去り、経由先のバンコクの滞在も終え、本日ネパール入りである。

これまでのバリ島での滞在ブログは、ネパールでちょくちょく更新していく予定である。過去をさかのぼっての記事になるのでご了承を。

さて。

いつものことだが、お店関係の渡航となると、いつも私の頭を悩ませるのが「受諾荷物と手荷物の重量」である。

航空会社によって異なるが、たいていの場合がエコノミーで受託荷物の制限重量が20kgであり、手荷物が7kg〜10kgとなる。

今回、バリ島からタイへ移動する際、私の受諾荷物は27kgもあった。

相当重いとは覚悟しつつも、さすがにこの数字には目の前がクラクラしたものである。

この際の詳細は後日のブログに記すが、幸いにもこのとき私は「荷物が重すぎるので追加料金を払うか荷物をここに置いて行きなさい」という過酷な選択肢を迫られることなく難を逃れた。

「ラッキー!!」ではあるのだが、この先も私の移動は続く。

残念ながら経由先として数日過ごすバンコクでは、この所持品たちを一つとして消耗&消費&減品するつもりはない。どれもこれもこれから先の必需品ばかりである。

27kgの荷物を、せめてどうにか23kgまでに減らしたい。それでも制限オーバーなんだけど…。

まずはこの27kgの一部を手荷物に移動させることを真っ先に考えるが、ツワモノの私の手荷物はすでに10kg近い数字を打ち出している有様で、これではなんの解決策にもならない。

先に「これらの荷物はどれ一つとして消耗&消費&減品できない必需品」と言ってみたが、往生際悪く「ひょっとしたら捨て忘れたゴミのひつとでも入っているかもしれない」と、スーツケースの中を探ってみる。

バリニーズの友人から頂いたお菓子を発見。食べちゃってみる。
バリ島で購入したキャミソールを発見。Tシャツの下に着てみる。暑い・・・。
化粧水や乳液をいつもより多めに使用してみる。空しいばかり。

どれもこれも効果の薄い、頭の悪そうな手段ばかり。

参ったなぁ〜。

タイ在住の日本人の友達からは「成田に比べればタイの空港の方が重量に関してはゆるい」と励まされるも、「それでも最近ではうるさいけどね。23kgならオーバーしてても大丈夫だよ」「27kgあるんだけど」「・・・・・・(絶望的な空気が漂ったあと)27kg?そんくらいなら全然だいじょうぶっしょ」という、信用ならない無責任な太鼓判を押して頂く。

苦肉の策として、結局私は宣言したとおり「わずかばかりの消費はしたもののひとつとして減品することなく」すべての荷物をスーツケース、(極力背負いたくない)バックパック、キャンパスバッグに振り分けたのであった。

その結果、空港で量ったスーツケースの重さは27kg→25.5kgという大成果を収め、ちらりと荷物の数字に目をやる係員に対してすかさず「右側の席はまだ空いていますか?」だのと話しかけ「空いてるわよ」「お願いします」との「気をそらす会話術」を駆使した結果、なぜか見事に左側の席へと追いやられ、それでも荷物は見逃してもらったから良しとしようと、自分に言い聞かせるのだった。

荷物の話とは離れあるが、今後バンコクからネパールへ行かれる予定のある方は、ぜひとも右側の席を指定することをオススメします。

出発時間・時期、それから天候にもよるけれど、運が良ければ機内の中から素晴らしいヒマラヤ山脈の景色を眺めることができます。

栗木隊長による最高エンターテイメント「世界一高いところでモノマネ」を見よぉ〜

トートツだが、登山家の栗木史多氏をご存知だろうか?

彼はなんと無酸素で、ヒマラヤ山脈の単独登山に挑み、下山はスキーで滑り降りてくるといったワイルドスタイルが話題を呼んでいる新鋭の登山家なのである。

さらにすごいことに彼は、その極限状態の中、登山経路にビデオを設置した後、もと来た場所まで戻り、自分が登山している姿をビデオで撮影するといったことまでやってのけているのである。体力そこで消耗しちゃっていいのか?

その栗木氏が今、ネパール入りをし、再度エベレスト登頂に挑戦するらしい。

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保身

本当だったら二日前に、縫製者さんに足りない素材を即行で届けるはずだったのが、勝手に「雨天決行」で素材を宅配することを中止し、今朝、まだ雨が降らないのを見計らって急いで約束のブツを届けに行った。

のどかな田園風景が広がる中、縫製者さんの個人宅に向かっている途中、どこからか「きゃい〜ん、きゃい〜ん」と、あの独特の、困った風な、甘えた風な、一般的な女性なら、ちょっとそそられるような、甘く切ない鳴き声が聞こえてきた。

私はバイクの速度を少し緩めて、聴覚を集中させ、声の主を探した。

いたっ!!!

道路脇の深さ30cmあまりの側溝に、ビショヌレになった子犬を発見。どうやら落下したらしい。

側溝も側溝で、子犬が自力で這い出せない絶妙な高さになっていて、じたばたじたばたと子犬なりに頑張ってみるのだが、あと一歩のところでまた側溝に逆戻りしてしまう。

私はバイクからすぐさま降り、子犬にかけ寄って「救世主」となるはずだったのだが、周りにいた成犬どもが「ギャインギャイン!!」と、子犬に近寄る私に対して、まるで犬さらいかのごとく扱いで吠え立てるので、進んだ足が一歩下がってしまった。

しかし、いくら成犬が私の行いを誤解しようとも、それは子犬には関係ない。助けてくれと、「きゃい〜ん、きゃい〜ん」と懇願する小さき命を、どうしたら見捨てることができよう。

私は再び子犬に近寄り「もう大丈夫だからねぇ〜」と、なるべく善良そうな顔つきを装い、子犬の体に手を触れようとした。

するとこの子犬でさえも、生意気に歯を剥き出しにし、グルルルルルルルルと唸り声を出し、しまいには「ギャインギャイン!!」と吠え立て始めたのである。

「触んじゃねーよ!!」

そのいっぱしの凶暴顔は、そう言ってるようであった。

それでは私も言わせてもらおう。

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あっという間に再来

今日も朝からやる気満々の雨が降り続き、参っている。
なんせお店の床、びしょびしょなもんですから・・・・・・。
やっぱりダメだったよ。

天井板変えただけだから、根本的な雨漏り対策になってないことはわかってた。
それでも数ヶ月、せめて床がぐしょぐしょになる雨漏りを回避することができればと思っていたのに、大工の雑な作業が災いし、割れた板目の隙間から雨粒がシトシトと漏れるのである。いい加減、私の気持ちもシトシトじめじめと落ち込んでくるものである。

しかも昨日から、部屋のシャワーが一切「お湯」を出さなくなってしまった。

雨のお陰で一気に肌寒くなったというのに、「お湯の出が悪いシャワーの修繕」で大工が入った途端に、そもそもそのお湯自体が一滴も出なくなってしまったという皮肉。

もうムチャクチャだ。
ムチャクチャだよぉ〜〜〜。

笑い飛ばせないことばかりが続く。

魅惑のマネキン

私がバリ島に到着してからというもの、連日鬱陶しいくらいの晴天続きだったのが、今朝は珍しく「全面的に曇り空解禁」といった空模様で、今にも雨が降り出しそうな天候である。

今日はデンパサールまで素材の買出しに出掛けたのだが、案の定、出発して間もなくにポツポツと雨が降り始めた。

それでも今日は「車で快適にお買い物」だったので、仕事にそれほど支障をきたすことはなかったのだが、デンパサールからウブドに戻ってからはバイクで活動しなければならず、いくらレインコートを着ているとはいえ、雨の中を雨粒に打たれながら動き回らなければいけないというのは気が重いものである。

お陰で部屋に戻った頃には、頭痛で頭が重くなっていた。

ちなみに今日は、ウブドだけでなく、デンパサールもクタもサヌールも曇りがちで、場所によってはしっかり雨が降っており、ウブドなど一日だらだらと雨が降り続いた一日だった。ひょっとしたらこれを皮切りに、しばらく雨の多い日が続くかもしれない。

今日の買い物は、オリジナルワンピースの製作に使用する布と、これまたオリジナルバッグの素材と、訳あってお店の周辺に花か植木でも植えようかと考えているので、それらを中心に見て回る予定だったのが、まったくの思いつきでマネキンも購入することにした。

いやね。前から近所のお店のスタッフにも指摘されてはいたのよ。

確かに自身でも思った。

「なんだこのブサイクなマネキンは」ってね。

体型がディスプレイにまったくもってふさわしくないゴツゴツ体型で、とくに肩幅など、男性でも負けるのではないかというほど立派なラインをお持ちで、何を着せても「パツパツでまるで購入意欲をそそらせない」という、マネキンとしては致命的な特徴ばかり持ち合わせていたわけですよ。

このマネキンを購入した頃は、まだ服の製作に取り掛かったばかりで、さらには、どこでなにを買い出せばいいのか模索状態にあって、たまたま通りがかったお店に「マネキンがあったから」という安易な理由で購入してしまったわけである。

そしてそのマネキンを意気揚々と店に持ち帰り、早速服を着せようとしたときに、ようやく唖然としたのである。

「なんだこのジャンボサイズは・・・・・・」

その頃お店に置いてあった服では、何を着せようとしてもフィットどころか入りはしない。仕方なくマネキンサイズの服をオーダーメイドしたほどである。一体なにやってんだ?

そんなマネキンを周囲のお店のスタッフは「このマネキンは本当によくないね。せっかく服が可愛くてもこれに着せると可愛くなくなる」だの「こんなマネキンはさっさと捨てろ」だの「いつ見ても変なマネキンだね」だの、お店のスタッフでさえそのような直接的な表現などせずに「マネキンが大きくて着せられる服が限られちゃうんだよね」という控えめな表現で我慢していたというのに、まったくもって遠慮のない素晴らしい方々である。

私は「ブサイクマネキン」を平気で展示し続けるお店の関係者として、堂々と肩を張るマネキンとは逆に、常に肩身の狭い思いをしていたわけだが、あまりにそのことを指摘され続けたので、逆に頑なになり、「私はこのお店が潰れるまでこのマネキンを使い続けるであろう」と、周囲には宣言しないでまでも心の中では思っていた。ま、マネキン買うのに懲りたわけだね。ステキなマネキン探すのも面倒だし。

だが先日、現地在住の日本人オーナーから「こんなかわいい服があるのに、なんでこれ飾らないの?」と言われ、「あ、うちのマネキンなに着せても大抵のサイズが入らないんですよ。Lサイズでも無理なこと多くて、着せたい服がものすごく限定されちゃうんですよ」と自虐的に笑うと、「なにやってんの? そんな服着せたところで売れるわけないじゃん。新しいマネキン買いなよ」と、これまで他の人から散々言われてきたことを反復されたのである。

英語とインドネシア語、そして日本語とでは、なんだか日本語で言われる方が響くものがある。母国語だからね。正確に、ダイレクトに言葉が入ってくるから理解力も高まってしまうわけだ。あたりまえの話だが。

恩師であり、尊敬するオーナーでしたので、その時は「わかっちゃいるけど、絶対に新しいマネキンなど購入しません!!」などと、意味のない意地っ張り発言をして抵抗などしなかったものの、「デンパサールならマネキンくらい簡単に見つかりそうだから時間があったら見ておくか」という程度の気力で臨み、入店した一軒目の什器屋さんで、一分で購入を決めたマネキンがコレ↓

どうだろう?
どちらが男性仕様のマネキンで、どちらが体のフォルムが優雅な女性を表現しているマネキンか、その違いがおわかりであろうか?
似たようなデザインの服を着せても、「着る人」によって、これほどまでに与える印象というのは違ってくるのである。

認める。
私が間違っていた。
私は今までお客様のサイフのヒモを固くさせていた。
でも、これからも創業当時からのマネキンは使い続ける次第であります。(マネキンとの記念撮影大歓迎)

ベテランスタッフの卒業

滞在先の決め手となる要因のうちのひとつとして「スタッフの人柄と仕事の出来具合」というのがある。

スタッフの人柄というのは、生まれもっての性質上のことであったり、各ゲストとの相性だったりするので、なんとも一概には言えないのだが、「仕事の出来具合」というのは、もともとその人が持ち合わせている基本的な能力もさることながら、ここはやはり、ボスの教育というものが大きく反映されているから面白い。

宿を取り仕切るボスがきちんとした気配りのできる人だと、そこに仕えるスタッフも、ゲストが気持ちよく滞在できるようにと、たいていの配慮ができるようになっているし、それは人に限ったことだけではなく、部屋の掃除や庭の手入れ状況などにも顕著に現れるものである。

それはそうと、ここの宿とのお付き合いも三年ほどになるのだが、その当初からスタッフとして働いていた女性スタッフが、いよいよここでの仕事を辞めるのだと打ち明けた。

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ハギレの再活用販売はじめました

バリ島・ウブドでインテリアファブリックのお店を経営している日本人のKさんは、店内に素敵な商品を取り揃えるだけでなく、自宅のインテリアや娘さんの持ち物にも手作りのオシャレ雑貨を用いている。

たまに部屋の模様替えや、手作りインテリアを作ってみては「日常生活にちょっとした潤い」を実践しているKさんの行動力というのは、私にとっては実に憧れであるのだが、私にはワクワクするような裁縫に関するアイデアも湧いてこないし、手先は不器用だしで、自分の手でやってのけようとすると、潤いどころかイライラが募ってしまうばかりなのだった。

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