ハギレの再活用販売はじめました

バリ島・ウブドでインテリアファブリックのお店を経営している日本人のKさんは、店内に素敵な商品を取り揃えるだけでなく、自宅のインテリアや娘さんの持ち物にも手作りのオシャレ雑貨を用いている。

たまに部屋の模様替えや、手作りインテリアを作ってみては「日常生活にちょっとした潤い」を実践しているKさんの行動力というのは、私にとっては実に憧れであるのだが、私にはワクワクするような裁縫に関するアイデアも湧いてこないし、手先は不器用だしで、自分の手でやってのけようとすると、潤いどころかイライラが募ってしまうばかりなのだった。

そんな性質の人間なので、衣服、バッグ、アクセサリー、雑貨などは、お店に関連したものしか製作をしたことがないし、そのひとつひとつを製作するために方々からかき集めたマテリアルやパーツですら、時には使い勝手に困ってしまってしばらく放置するといったこともあるくらい「製作サイド」からは遠い部類に属していると言っても過言ではないのである。

私とは真逆の製作サイドよりにいるKさんに、「そういえば数ヶ月前から布のメートル売りとはぎれの販売も始めたんですよ」という話をしたところ、常にアレコレとアイデアを持ち合わせているうえに、布はどんな小さいものでもすべて使い切ると豪語するKさんは「それ、今度見せて!!」と飛びつき、早速本日ご来店されたのであった。

布の販売を開始したのは、アジア各国の布を購入してきたはいいものの、その後「自分では活用し切れないから、他に使い道を見出せる才能豊かな方がいたら、その人に利用してもらった方が布だって浮かばれるというものだろう」という理由からであり、本格的に布屋を始めたわけではない。

はぎれは、バッグや服を製作した際に出たものであり、今まではポイポイ捨てていたのだが、これだって実は、アイデア満載のクリエイターからしてみたら、ちゃんとした素材のひとつになり得るものではないのかと思い直し、販売を始めた次第である。

店頭に置かずに隠し持っているお気に入りの布などもKさんに見せびらかせると、「すっごくカワイイのがいっぱいじゃない。ちょっと!! ちゃんとこれ、活用しなさいよっ!!」と、真っ当なお叱りを頂いた。私はKさんのこういうところが好きである。

布好きな方、その頃どれだけの布が残っているかわかりませんが、当店ではインドネシアをはじめ、インド、ネパール、中国、日本など、アジアで収集した布も置いてあるので、ウブドにお立ち寄りの際はぜひ手にとって、袋に入ってあるものは必ずそこから広げて見て、気に入ったものがあったらぜひ、手を加えるなりして、海を越えてやってきたそれらに命を吹き込んでやってください。