スイッチが入らない
見るからにヤバイと思っていたら、レンタルしてわずか4日目で、完全にエンジンがかからなくなった。
現地のバリニーズでさえ「ずいぶん古いバイク乗ってるね」と、なんの躊躇もなしにズバリ突っ込んでくれるような見てくれと遜色なく、中身もオンボロだった。
それでもまだ、エンジンが停止したのが昼間の店先だったから良かったものの、これがいつかのように、ウブドの中心から程遠い場所であるばかりかあまり人通りのない夜道であったりしたら、本当に悲惨である。
しかも大抵、ガソリンを満タンに入れたすぐ後にこういったトラブルが発生し、代わりに運び込まれるバイクには、ほとんどガソリンが入っていない状態で交換させられるというパターンなのである。
私はいつものごとく、バイクのオーナーにすぐさま電話を入れた。
今はとても忙しいから夕方じゃないと対処できないと言われる。しかも5時。あと四時間以上もあるんですけど…。オーダーしに行くにはバイクが必要な距離。仕事ができない。お昼も食べてなくてお腹すいてる。
春先までの私なら、この時点で間違いなくブチ切れて「こっちだって忙しいんだよ!! 家族の誰でもいいから対処させろ!!」と要求したことだろう。
とくに今回はエンジンがかからなくなることがちょくちょくあり、私は事前にその状況をオーナーに報告して「大事になる前に一度チェックしに来て」とお願いしていた矢先でのことだったのである。
そのときですら、このオーナーは「忙しいからパパ(御自分の)に電話してみて。番号はこれだから」と、携帯にメッセージを送って終了といった怠慢っぷり。
しかし私は、「5時じゃ遅いからもっと早くに対応して」と話している最中に相手側の電話が切れた(切られた?)瞬間に、今までムキになってきたものを諦めたのだった。
もういいや。
オーダー諦める。
お昼は行きつけじゃなくて徒歩圏内で探す。
その夜今度は、宿のシャワーでお湯が出ず。
8月のウブドは朝晩ヒヤリと肌寒い。
現地の人ですら夜のシャワーはきつくて嫌だと話すほど。
昼間、けっこう汗かいたんだよね……。
すでに夜の10時だろうがお構いなしに「プロパンガスを変えてくれ」って、スタッフに頼むか−−−。
でも、もういいや。
シャワー、足と腕だけにして諦める。
明日の朝話すことにして、今日はもう寝る。
おやすみなさぁ〜い……。
一体どうしてしまったのか?
無気力傾向にあるのか?
抵抗力が落ちているのか?
受け入れ、流れる方針で行くのか?
どこへ行く? わたし・・・・・・。