これ、なんの因果?


スーパーマーケットへ日用品の買出しへ行った。
レジ係の人が一通り商品を打ち終えたところで、「ちょっと、こっちに来て」と、ある商品棚の一角に私を誘導した。
はて?

そこには、なにやら透明のプラスチックボックスを囲むようにして、その周囲にはいろいろな商品が積み重ねられていた。まったく興味がなかったので、どんな物が陳列されていたのかは目を通さなかったが、レジ係の人は透明のボックスに入ったくじのような物を「一枚引け」という。

こういった類のものとは結果、「良縁」があったためしのない私は、半ば面倒だなとさえ思いながら乱暴に腕を突っ込みその中の一枚を引き当てた。
バリ島も日本の「くじ」と同じように、たとえハズレであっても「申し訳なさ程度の景品」が渡されるのだろうか? 
そんな風に、「くじ」に対してハッピーな記憶を持たない私は、すでに自分は「スカ」を引いたのだと決め付けて、ぼんやりそんなことを考えていた。

係の女性が、無意味に粘着力の強そうなくじをようやく開くとそこには「RINSO」とインドネシア語のスペルがあり、女性は文字通りそれを「リンソー」と発音。
「あなたにはフリーのリンソーが当たったわ」と、にっこり。

「おお、リンソーが当たったのか。それは嬉しいぞ」
リンス(コンディショナー)は、毎日使う消耗品だからねぇ。
それが一体何等の景品だったのかなど、そんなの私はちっとも興味がない。
「欲しくもないうえに日常生活の中でなんの役にも立たないもの」を頂くより、よっぽど有効的である。実用品大好き。

ちょっと「ルーンルンッ」という気分になりかけたそのとき、お姉さんが私に手渡したもの。

それは---。

洗剤。

洗濯用の。

よりにもよって。

これは、実用品にもほどがある。

私は先日「脱自力洗濯宣言」をしたばかりなのである。
これから洗濯物をわんさかランドリーに背負っていこうと思っていたのである。
涙がキラリ★なんである。

こんな「ネタ」みたいなツキは無用である。