インドネシアの文化遺産「バティック」

以前、別ブログである“Moti〜シロウト集団の「お店デキルカナ?」”でも触れたことがあるが、インドネシアのバティックに魅せられ、自らもバティック制作に取り組み始めた友人の家を訪ねた。

バティックとは、インドネシアのろうけつ染で制作されたジャワ更紗で、その名の通り「蝋」を溶かした液体で模様を描いて防染し、染色する技法のことをいう。

バティックは、気の遠くなるような年月をかけて制作される高価なハンドメイドのもの、銅版で型を作りスタンプのように布へ模様を押し付けて制作されるもの、機械を使ってプリントされたお手軽なものと、さまざまな技法を用いて制作されている。

友人が特に好んで購入しているそのほとんどは、すべての工程を数ヶ月もかけて手作業で行われる手描きバティックである。

繊細に描かれた見事な模様と、思わず目を見張ってしまうような色鮮やかな色彩を放つそれらの作品の対価は、貨幣には換算しがたいものだが、下世話な話、一般のOLが購入するには決してお手軽なものではない。

しかし確かにそこには「それ以上」の魅力が宿っており、いずれは私も「とっておきの逸品」を手にできたらと、友人のコレクションを眺めては、そう思うのであった。

値段が値段なだけに、そうしょっちゅう購入できるものではないが、彼女が数年の年月をかけて収集したコレクションの中で「いつ見ても艶やか」と、二人の意見が一致したバティックがある(下記写真)。

写真ではとても実物の素晴らしさを写しきれるものではないが、バティック作家の自由で奔放でいて、豊かな創造力から飛び出してきたユニークな動物と花々、それらを華やかに彩る色彩に惹きつけられ、私は今日も、思わずシャッターを押してしまった。

しかしバティックは、手でその感触を確かめ愛でるのが、一番である。