もっと、もっと主張して

悲しいことに、『京葉線全線開業20周年記念スタンプラリー』の「スタンプはどこ? 設置場所情報を大募集」と銘打ったブログに対し、なんの反応もなかったので、お出掛けついでに訪れた東京駅で、本日自力捜査を行いました。他力本願を反省です(嘘)。

丸の内線へ向かう方の改札口を出て、100メートルくらい歩いてみるも、地味で寂しい景色があるだけで、このまま進んだところで「20周年記念スタンプラリー」なんておめでたい企画モノは見つけられそうになかった。

友人と待ち合わせの時間も迫っていたので、私は「まぁ、今日じゃなくてもスタンプは逃げ出したりしないわけだし」と、いつもの言い訳をして来た道を引き返すと、なっ、なんと、気の毒になってしまうほどひっそりとした場所に、あれほど捜し求めたスタンプさまが、それはまぁ、こじんまりと、そこに佇んでいるではありませんかっ!!

その姿はまるで「ワタクシ程度のものがこのような場所を陣取ってしまってスミマセン」(いえいえ、そんな恐縮するほどの一等地ではありませんよ。むしろその逆)ってほどの申し訳なさ程度で、スタンプが置かれた台を挟むように掲げられている「20周年記念」の垂れ幕が、さらにその存在の物悲しさを尊重しているようで逆効果である。

おめでた企画なのだから、できればもっと目立つ所に移動してもらいたいものだが、なんだ? ひょっとしたらなんかのついで企画なのか? とかなんとかどうでもいいこと考えながらも、私は「秘宝」と思い込んでいたものが、ワタクシ程度のものでも発見できる場所にちゃんと置かれていたことに安堵した。本気でひとつもスタンプを見つけられないかもと思っていたからだ。

「もしもの時」を想定して、今日はちゃんとスケジュール帳を持ち歩いている。わくわくしながら目的のものに近づいた。

あれ?

なんか想像してたものよりコンパクトだなぁ。

ん???

そこには、誰にでも上手に押せるスタンプ台不要の味気ないスタンプがあった。

「まるで今の世の中みたい」

と思う今日は、切ないほど美しい満月だった。