クモの糸、光のしずく
今だから、面白おかしく笑いながら話せるアレコレと、でも、合間合間に、ちょっとシャレにならない感情なんかがチラチラ顔を出したりして、そんな私を「難儀な性格だねぇ」と、そう友人は言う。
そうかなぁ?
そうでもないと思うけどなぁ。
頭の中で「難儀、ナンギ、難儀・・・・・・」と言葉をくるくる回しながら、クビを傾げてバリ島滞在中の自分の姿を思い浮かべた。
色取り取りな感情が溢れ出て、あたふたグルグルと慌しく動き回る異物を発見。
私だ。
この国と同じに、四方を海に囲まれたバリ島は、だけど、その本質はまったく違ったものだ。
だからねぇ。
まぁ、あなたの言う通りかもしれません。
本当はとてもシンプルなのに、複雑に絡まった糸を作りだしているのは、他ならぬ自分自身だったり、でも案外、それは私だけの凝り固まった世界観だけではなかったり、だからこそ、大いに戸惑い翻弄されながらも、私はまた、あの場所に還いくのです。
難儀の中に注ぎ込む、夢の光の一筋を追って。