欲すぃ〜の

一年間、一歩も国外に出ることがなければ、今欲している電化製品の半分は手に入れることができるだろう。

バリ島に店を持っていなかったら、自分の購買欲を満たすために「少なくとも一年間は海外に行くことを我慢できるか?」と問われたら、返答に困るに違いない。

ここのところ一年に2〜3ヶ月働くのがいいところで、そのわずかな収入の3/4はお店に関係する航空チケット代や現地での生活費、商品の仕入れ代などにあてられているのが現状で、そんな状況では自分の物欲を抑制するしかない。

とにかく、我慢、我慢と言い聞かせて生きている。

あ〜あ、今回のバリ島訪問には手軽に持ち運びが出来るノート型パソコンを持参したかったなぁ。

前回持って行ったパソコンは、図体だけはデカイのに、ロムにデータを保存することすら出来ない化石のようなシロモノだったので、今回の持参は躊躇っている。携帯電話の貸し出しみたいにパソコンの貸し出しサービスもあったらいいのに(そんな高価なもの貸し出すわけがない)。

あ〜あ、一眼デジタルカメラが欲しいよぉ〜。もう何年も前から友人と一緒に同じこと言ってるなぁ。「高くて手が出せないよ」ってね。年々「低価格」になっているにもかかわらず同じセリフなところが悲しい・・・。

まぁ、これらの商品はあとしばしの間は店頭で「眺める」といった行為で我慢することが出来る。いや、パソコンは今すぐにでも欲しいんだけどね。

どんなに小銭を集めたところでこれらの花形スターを手に入れることは出来ない。人間時として「諦め」が肝心である。

なんて言ってる矢先から、実はすぐにでも購入を検討している電化製品がある。

MP3である。

初代MP3は、たった二年しか使用してないのにネパールで完全にイカレてしまった。

私は、出先ではほぼ「耳にイヤホンをさしている」人間である。別に競馬中継とかに夢中になってるわけじゃないですよ。ミュージックっすよ、ミュージック。

一歩外に出たら「音楽」なしではまともに歩行することも困難。なわけはないんだけど、音楽を携帯するということは、私の中では必須事項なのである。

そんな重要な物を持たずして国外に出るなど「ありえない」ことなのだ。

というわけで、出発前までになんとしてでも「MP3購入大作戦」である。

なけなしの財産をはたいて購入するからには、「品定め」の失敗は許されない。

ひとまずMP3を愛用している周囲の人間にリサーチ。すると、みんな一様に口を揃えて「ipod」をオススメしてくるではないか。故障のため、この2〜3年で4〜5台もipodを買い換え「壊れやすいんだよっ!」と激怒していた友人さえもアップルを推薦するのである。

なぜだ?

なにより「口コミ」というのは重要視すべきポイントだと思っている私としては、これらの意見を無視することは出来ない。

最終的にアップルとSONYのMP3に候補を絞った。

そして最後には、電化製品に関するご意見番へアドバイスを求めると「私のような人間は」と続き「プレイヤー自体の操作性よりも、パソコン上での曲転送などが簡単なほうが使いやすいだろう」とのことで、ipodを勧められた。

よくわかってらっしゃる。

インストール段階で躓くような人間で、パニくると「パソコンの電源の在りか」すらわからなくなってしまうようなオンチである。

SONYのソフトは「使いづらい」とのユーザーの声は多く、そんなものを私が使いこなせるわけがない。

的確なコメントに感心しながら「だけど充電やバッテリー面ではSONYの方が優秀なんだよねぇ」と悪あがきしていると、最後の最後で「(周囲でipodを使用している人が大半なのだから)曲のやり取りだとか、使い方を教えてもらったりとか、いろいろ好都合なこともあるんじゃない?」との一押し。

他力本願で生きている私には非常に魅力的で心強い言葉である。

これは「何かあったときには必ず力になるし」というご意見番からのメッセージが込められているも同然である。

仕方ない。

そこまで言われたら、私も頼らないわけにはいかないぞ。

よし、ipodで決定だ。