咲くサクラ、散るサクラ

出勤すると、開口一番に「今日は私立高校受験の合格発表日だからとくに電話が多いのでよろしく」と、正社員の方よりひとこと。さらに付け加えられた「デリケートなことだから迅速かつ的確に対応すること」というお達しにびびりまくる。

実際、出勤直後かなりの頻度で電話を受けることになった。生徒や保護者からの結果報告である。

どんなに忙しいといえど、私の業務は取り次ぎ程度である。次から次へと伝えられる「合否」の報告内容に対して、それこそ「迅速かつ的確」な応対をしなければいけない担当の先生のプレッシャーに比べたらなんてことはないハズである。

ラッキーなことに、私が数分内で受けた電話はすべて「合格報告」であった。油断は大敵と思いつつも「ひょっとしたら、私が今日受ける電話はぜーんぶ合格報告かもぉ」などと、なんの根拠もなく浮ついていたのは確かである。

数分もおかず、また電話が鳴る。

「●●でございます」「あのぉ。(中学)三年生の●●ですけど・・・」「こんにちは」「・・・・・。あの、合格発表のことで電話したんですけど・・・」「おめでとうございます!!!」


「・・・・・。あの、まだ合格はしてないんですけど・・・」



!!!!!





Oh My God!!!!



次は必ずや、彼女の頭上にサクラサクことを、心より祈る。