インドネシアにおつかい

五反田にあるインドネシア大使館にビザ申請用紙を100枚ほど受け取りに行った。

個人としては怪しいくらいの大量入手。それもそのはず。わたくしこの度「ビザ申請代行業務」を始めました。もちろん「個人」としてではなく、企業に「派遣」されてのことですが・・・。

派遣先の社員の方がとても親切で、地図を正確に理解できない私に、口頭で丁寧に説明をしてくれたお陰で、ほとんど迷わずインドネシア大使館に到着することが出来た。

それに私は必死だった。

大使館は16時半には閉館してしまうし、なんせこれはお仕事の一環である。ただの「おつかい」ではないのだ。私がおつかいに成功したところで、所ジョージがコメントをしてくれるわけでもないし、森口博子が涙を流してくれるわけでもない。

申請用紙を受け取りに行くことは、これまた地図の読み方を指導してくれた社員の方が、大使館の職員に事前説明をしてくれていたので事はスムーズに運んだ。

「●●会社から、ビザの申請用紙を受取りに参りました」
「あぁ」と、机の引き出しからドサーっとものすごい束の申請用紙を取り出す職員。
「えーっと・・・・・・」(枚数きっかり準備してましたみたいな顔をしているが、明らかに適当な枚数を取り出したような雑な手つき)
「それ、全部ください」(今から数えられたら面倒だし。多い分には構わない)
「あはははは。じゃ、そこで100枚あるか数えてください」
「大丈夫です! 絶対に100枚あります」
「本当ですか?!」
「ほんとーです!!」

私は「100枚カウントしてください」という職員のリクエストをお断りし、わずか30秒にも満たないやり取りの果て、「ありがとうございました」と爽やかに礼を言ってその場を立ち去った。

職場に戻ると、社員さんに「これ、100枚数えた?」と、ギクリとするような質問をされたので、正直に「数えていません」と答えると、「明らかに200枚くらいはあるよね」との驚くべき推測を口にされた。

太っ腹なインドネシアン職員に感謝。