心和ますお宝映像

バリ島で「寂しい単身赴任」グッズとして欠かせないもの。
それは姪っ子のフォトアルバムである。

ページ総数17。
CDロムに動画まで落としてきた。
気持ちが悪いほどぬかりがない。
余計なことに気を奪われていたお陰で淑女のエチケットとして欠かせない「爪切り」を持参するのを忘れてしまったほどである。
姪っ子の成長も気になるが、ぐんぐん伸びる爪も気になる今日この頃。
これほどの「伯母バカ」ですから、宿のオーナーやスタッフ、バリニーズの知人、友人を捕まえてはフォトアルバムを広げ「世界で一番カワイイ」と大絶賛する世界で一番の厄介者である。

このような行為は私の中では「ご法度」であったのにもかかわらずこのザマ。
人生なにがなんだかわかりませんな。

ところで先日、いまだ「アナログ回線」が主流のバリ島にある私に、妹が気を利かせたつもりで、姪っ子の「動画」をメールに添付してきた。
通常であれば「このような横綱級のデータを送りつけるなど非常識である」とご立腹なところであるが、何度もいうように姪っ子に「ぞっこんLOVE」な私は腹をくくってデータを受信することを試みた。

20分以上である。その間パソコン上では一切の作業を許されず、ただただ時間は虚しく流れてゆくばかり。気がつけば、勤務を終えた通勤電車のサラリーマン、もしくは、腹を満たした昼食後の授業を受ける生徒のような状態になっていた。zzzzz。

辛抱に辛抱を重ねて得たもの。
それは「若干5ヶ月の姪っ子がはじめてのお友達に胸ぐらをつかまれて大喧嘩」の動画であった。

まだしっかり腰の据わっていない年下のお友達が「おっといけない」と姪っ子の胸元めがけてグラリ。ちょっと気合の入った頭突き状態になってしまった。すると「おい、やめろや」と、姪っ子。「わざとじゃないもん」といわんばかりに、お友達の手が偶然にも姪っ子の胸ぐらを掴んだところで怒りは頂点に達する。

「あたいに気安くさわんじゃないよ!」

そんな心境を、まだまだ上手に言葉にできない不憫な姪っ子は、「うがぁぁぁぁぁ〜」と、言葉にならない声で荒々しく表現。
終いには、自分の拳固を口いっぱいに詰め込んだ凄まじい形相で「威嚇のサイン」だ。
どんなに怒っても暴力に訴えるべからずというガンジーの信念を受け継いでいるようである。立派にインドの地に根付いて欲しい。