ミルク臭におもひふける


すやすや眠る姪っ子の寝息に鼻を近づけて、漂うミルクのニオイに安堵する。

ちょっと前よりだいぶ薄らいだミルク臭。

乳白色の世界に包まれていたこの子の世界は、これから少しずつ、少しずつ、透明になって、圧倒的な未知の中にあるものをグビグビ吸収しながら成長していく。

そこにはやはり、私の知らない景色、感覚、空間が広がっているのだろうか?

この子もやがて、小さくも力強い生命力を前にして不思議な和らぎを感じたりするのだろうか?

そんなことをぼやっと思っていたら、「ぶぶっ」と豪快なオナラの音が聞こえてきた。

本能を包み隠さず生きるこの命に、どうしようもなく惹きつけられる。